面粗さの定義と適用

面粗さの設定について

部品の面粗さは部品の性能に深く関わる重要なパラメータです。精度そのものに関わるほか、部品の機能面でも面粗さが求められるなど、面粗さ表記が適用される範囲は多様ですが、実際の加工現場から見た時に最適な面粗さの設定がされていない、といったケースもよく存在します。

高精度の面粗さが図面上に書かれていると、研磨等の工程が必要になるため面粗さ表記の設定は部品の用途に応じた最適な設定を行うことが、VA・VE設計のためには重要となります。

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たとえば、上記表の中でRa 0.1~0.3といった精度を見てください。
この精度値が図面上で要求されていると、加工工程では研磨を行うことがほぼ必須になってしまいます。そのためリードタイム、コストが増大してしまうのです。

その一方でRa 0.4~0.8といった範囲内であれば、実は旋盤(自動盤)加工の工程内で仕上げてしまうことが可能となります。旋盤工程の後に研磨工程を追加する必要がないため、最適なコストで製作が可能となります。

下記に加工法と対応可能な面粗さの範囲図を示します。設計者は求める部品の機能、精度に応じて最適な加工法を選びましょう。

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面粗さ定義の変化について

面粗さの定義や測定方法については、JISの改訂とともに変更が加えられています。
新しく図面を書く場合等は最新の規格に基づけば問題ありません。しかし過去の図面等を改訂する、部品を再製作するといった際には、定義の方法が変化していることを理解して扱う必要があります。 下の表を参照してください。

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