段差形状の形状変更による加工コストダウン

Before

 精密シャフトやバルブ、ピストンなどの円筒形状の量産部品の設計において、左図のような「90°の段差」が存在している形状は工具1本での加工が困難となります。そのため2本以上の工具を使用して形状の加工を行う必要があり、段取り時間、加工時間の増加からサイクルタイムが増大、最終的にコストアップに繋がってしまいます。

VA・VE設計実例

After

 精密シャフトやバルブ、ピストンなどの円筒形状の量産部品の設計においては「90°の段差」はできるかぎり避けて設計を行うことがポイントです。左図のように「直角なし」にて部品の設計が可能な場合は、使用工具は1本で加工可能です。段取り時間、シャフト加工の時間を削減することができ、サイクルタイムの短縮、コストダウンに繋げることが可能となります。

POINT

精密シャフトやバルブ、ピストンなどの円筒形状の量産機械加工部品の設計において、90°の段差部分が存在する場合は複数の工具を使用しての切削加工が必要となり、サイクルタイムが増大してしまいます。この場合は90°の段差部分を避けて設計を行うことで、使用工具を減らすことが可能です。こうすることでシャフト加工に必要な工具本数を減らすことでサイクルタイムを短縮し、コストダウンを実現できます。

材料選定

  1. SUS303からSUS303CUへの材料変更によるコストダウン
  2. 焼鈍材料への材料変更によるコストダウン
  3. S10CからSUMへの材料変更によるコストダウン
  4. 棒材からパイプ材への材料変更による工程省略コストダウン
  5. 海外材料の活用による材料調達コストダウン

形状設計

  1. ブローチ加工の設計最適化による難加工の排除
  2. ローレット加工部の角形状変更によるコストダウン
  3. ローレット有品の最適設計による研削加工コストダウン
  4. 製品角部の逃げ溝の設計最適化による難加工の排除
  5. フライス掘り込み部の底部設計変更によるコストダウン
  6. フライス加工部の底部形状変更によるバリ抑制コストダウン
  7. 六角材加工品の図面指示変更による高精度化
  8. 穴底部の形状変更による穴底角公差の高精度化
  9. 穴底部の形状変更による穴加工コストダウン
  10. 段差形状の形状変更による加工コストダウン
  11. 長穴加工部品の穴形状変更による穴加工コストダウン
  12. ザグリ加工部品のザグリ部形状変更による加工コストダウン
  13. 角面取り部の角部形状変更による加工コストダウン

公差

  1. コーナーRサイズ表記の図面指示変更による加工コストダウン
  2. ネジ有効径長さ確保の指示による難加工の排除
  3. 素材面粗度の図面指示変更による加工コストダウン
  4. ネジ下穴の安定確保の指示による加工コストダウン
  5. 逃げ溝形状の角度指示変更による加工コストダウン
  6. ネジ有効径の図面表記変更による加工コストダウン
  7. 止まり穴の穴底角度指示変更による加工コストダウン
  8. R位置部の寸法指示変更による測定コストダウン
  9. 貫通穴のテーパー部寸法指示変更による高精度化

工程

  1. 左右対称精度部品の形状変更による工数削減コストダウン
  2. 位相寸法表記の変更による加工法変更コストダウン(CNC→カム)
  3. 切削ねじの精度変更による加工方法変更コストダウン(切削→転造)
  4. 量産部品の工程分割コストダウン(CNC複合→カム+フライス)
  5. 加工指示表記変更による工程集約コストダウン(研削→ローラーバニッシュ )

表面処理・熱処理選定

  1. 部品形状変更によるめっきの密着向上コストダウン
  2. メッキ活用による材料コストダウン(SUS材→鉄材+無電解ニッケル)
  3. 研磨シャフト部品の材料コストダウン
  4. メッキ種類変更によるコストダウン(無電解ニッケル→亜鉛メッキ)