切削ねじの精度変更による加工方法変更コストダウン(切削→転造)

Before

 上記図のように製品全体が「ねじ形状」の精密シャフトにおいて、設計図面上に「切削加工指定」がある場合にはCNC旋盤での加工などの切削加工に加工方法が限定されてしまいます。切削加工によるねじ形状の製作は、高精度のねじ形状を作ることができる反面、加工時間が長くなるためコストアップとなってしまいます。

VA・VE設計実例

After

 精密シャフトなどの製品全体が「ねじ形状」の製品であっても、部品の仕様上切削加工による加工精度のような高精度の加工が必要ない場合は、図面上に「切削加工指定なし」と指定することが有効です。この場合、材料を単軸自動旋盤等で加工した後に、「転造盤」を用いてねじ形状の加工することが可能になります。高効率、高速の加工を行うことができるため、コストダウンが実現できます。

POINT

精密シャフトなどの量産機械加工の設計において高精度のねじ形状が必要な場合は高コストになりますが切削加工を指定します。しかし、高精度のねじ形状が必要でないシャフト部品については、転造加工によるねじ加工を指示することが有効です。こうすることで転造盤を用いての高効率・高速のねじ加工を行うことができ、シャフト加工において大幅なコストダウンを実現することができます。

材料選定

  1. SUS303からSUS303CUへの材料変更によるコストダウン
  2. 焼鈍材料への材料変更によるコストダウン
  3. S10CからSUMへの材料変更によるコストダウン
  4. 棒材からパイプ材への材料変更による工程省略コストダウン
  5. 海外材料の活用による材料調達コストダウン

形状設計

  1. ブローチ加工の設計最適化による難加工の排除
  2. ローレット加工部の角形状変更によるコストダウン
  3. ローレット有品の最適設計による研削加工コストダウン
  4. 製品角部の逃げ溝の設計最適化による難加工の排除
  5. フライス掘り込み部の底部設計変更によるコストダウン
  6. フライス加工部の底部形状変更によるバリ抑制コストダウン
  7. 六角材加工品の図面指示変更による高精度化
  8. 穴底部の形状変更による穴底角公差の高精度化
  9. 穴底部の形状変更による穴加工コストダウン
  10. 段差形状の形状変更による加工コストダウン
  11. 長穴加工部品の穴形状変更による穴加工コストダウン
  12. ザグリ加工部品のザグリ部形状変更による加工コストダウン
  13. 角面取り部の角部形状変更による加工コストダウン

公差

  1. コーナーRサイズ表記の図面指示変更による加工コストダウン
  2. ネジ有効径長さ確保の指示による難加工の排除
  3. 素材面粗度の図面指示変更による加工コストダウン
  4. ネジ下穴の安定確保の指示による加工コストダウン
  5. 逃げ溝形状の角度指示変更による加工コストダウン
  6. ネジ有効径の図面表記変更による加工コストダウン
  7. 止まり穴の穴底角度指示変更による加工コストダウン
  8. R位置部の寸法指示変更による測定コストダウン
  9. 貫通穴のテーパー部寸法指示変更による高精度化

工程

  1. 左右対称精度部品の形状変更による工数削減コストダウン
  2. 位相寸法表記の変更による加工法変更コストダウン(CNC→カム)
  3. 切削ねじの精度変更による加工方法変更コストダウン(切削→転造)
  4. 量産部品の工程分割コストダウン(CNC複合→カム+フライス)
  5. 加工指示表記変更による工程集約コストダウン(研削→ローラーバニッシュ )

表面処理・熱処理選定

  1. 部品形状変更によるめっきの密着向上コストダウン
  2. メッキ活用による材料コストダウン(SUS材→鉄材+無電解ニッケル)
  3. 研磨シャフト部品の材料コストダウン
  4. メッキ種類変更によるコストダウン(無電解ニッケル→亜鉛メッキ)