研磨シャフト部品の材料コストダウン

Before

 面粗度や円筒全体に渡って高精度の公差が必要な、精密シャフトやピストンなどの部品の場合、設計時に研磨材が指定されているケースがあります。しかし研磨材自体が高価であり、未研磨の材料に対して20~30%コストアップとなってしまい、特に1,000個以下になるような量産部品の場合は全体の部品製作コストが大幅に上がってしまいます

VA・VE設計実例

After

 上記のような場合は、精密シャフトやピストンなどの切削加工後にセンタレス研磨を行うことで、研磨材の使用を不要にすることができます。この場合、加工工程が増加しますが、研磨材の使用を抑え、センタレス研磨で高精度の仕上げ加工、高面粗度を実現することができるため、部品製作のトータルコストダウンを実現することができます。

POINT

部品の全体に渡って高精度の寸法が必要な精密シャフトやピストンなどの量産機械加工部品では、研磨材が材料として指定されることがあります。しかし研磨材は非常に高価なため、部品の生産数が多い場合では一般材料に研磨工程を加えることで、高精度を維持しながらもコストダウンが可能となります。

材料選定

  1. SUS303からSUS303CUへの材料変更によるコストダウン
  2. 焼鈍材料への材料変更によるコストダウン
  3. S10CからSUMへの材料変更によるコストダウン
  4. 棒材からパイプ材への材料変更による工程省略コストダウン
  5. 海外材料の活用による材料調達コストダウン

形状設計

  1. ブローチ加工の設計最適化による難加工の排除
  2. ローレット加工部の角形状変更によるコストダウン
  3. ローレット有品の最適設計による研削加工コストダウン
  4. 製品角部の逃げ溝の設計最適化による難加工の排除
  5. フライス掘り込み部の底部設計変更によるコストダウン
  6. フライス加工部の底部形状変更によるバリ抑制コストダウン
  7. 六角材加工品の図面指示変更による高精度化
  8. 穴底部の形状変更による穴底角公差の高精度化
  9. 穴底部の形状変更による穴加工コストダウン
  10. 段差形状の形状変更による加工コストダウン
  11. 長穴加工部品の穴形状変更による穴加工コストダウン
  12. ザグリ加工部品のザグリ部形状変更による加工コストダウン
  13. 角面取り部の角部形状変更による加工コストダウン

公差

  1. コーナーRサイズ表記の図面指示変更による加工コストダウン
  2. ネジ有効径長さ確保の指示による難加工の排除
  3. 素材面粗度の図面指示変更による加工コストダウン
  4. ネジ下穴の安定確保の指示による加工コストダウン
  5. 逃げ溝形状の角度指示変更による加工コストダウン
  6. ネジ有効径の図面表記変更による加工コストダウン
  7. 止まり穴の穴底角度指示変更による加工コストダウン
  8. R位置部の寸法指示変更による測定コストダウン
  9. 貫通穴のテーパー部寸法指示変更による高精度化

工程

  1. 左右対称精度部品の形状変更による工数削減コストダウン
  2. 位相寸法表記の変更による加工法変更コストダウン(CNC→カム)
  3. 切削ねじの精度変更による加工方法変更コストダウン(切削→転造)
  4. 量産部品の工程分割コストダウン(CNC複合→カム+フライス)
  5. 加工指示表記変更による工程集約コストダウン(研削→ローラーバニッシュ )

表面処理・熱処理選定

  1. 部品形状変更によるめっきの密着向上コストダウン
  2. メッキ活用による材料コストダウン(SUS材→鉄材+無電解ニッケル)
  3. 研磨シャフト部品の材料コストダウン
  4. メッキ種類変更によるコストダウン(無電解ニッケル→亜鉛メッキ)