量産部品の工程分割コストダウン(CNC複合→カム+フライス)

Before

 左図のような、円筒形状にミーリング要素が必要な精密シャフトの製作では、一般的にCNC複合旋盤による加工を行って製作します。しかし、CNC複合旋盤は1台で複数の要素を加工するためサイクルタイムの短縮が難しく、部品の生産量が数万個を超えるような場合は大幅なコストダウンが難しくなります。

VA・VE設計実例

After

 精密シャフトやピストン、バルブなど量産部品の生産がロット数万個を超えるような場合は、単軸の旋盤(カム式)とフライス盤を組み合わせた専用ラインにより工程を分割し、各工程を最適化することでサイクルタイムを大幅に短縮することが可能となります。サイクルタイムの改善により製作コストを大きくコストダウンすることが可能となります。

POINT

精密シャフトやピストン、バルブなどの円筒形状の部品でミーリング加工の要素が必要な部品は、一般的にCNC複合旋盤で切削加工を行います。しかし量産機械加工部品のロットが、月産数万を超えるような大量生産の場合は、サイクルタイムを縮めることが難しく高コストになります。この場合は製品に応じた量産ラインを構築し、工程を分割して製作することでコストダウンが可能となります。

材料選定

  1. SUS303からSUS303CUへの材料変更によるコストダウン
  2. 焼鈍材料への材料変更によるコストダウン
  3. S10CからSUMへの材料変更によるコストダウン
  4. 棒材からパイプ材への材料変更による工程省略コストダウン
  5. 海外材料の活用による材料調達コストダウン

形状設計

  1. ブローチ加工の設計最適化による難加工の排除
  2. ローレット加工部の角形状変更によるコストダウン
  3. ローレット有品の最適設計による研削加工コストダウン
  4. 製品角部の逃げ溝の設計最適化による難加工の排除
  5. フライス掘り込み部の底部設計変更によるコストダウン
  6. フライス加工部の底部形状変更によるバリ抑制コストダウン
  7. 六角材加工品の図面指示変更による高精度化
  8. 穴底部の形状変更による穴底角公差の高精度化
  9. 穴底部の形状変更による穴加工コストダウン
  10. 段差形状の形状変更による加工コストダウン
  11. 長穴加工部品の穴形状変更による穴加工コストダウン
  12. ザグリ加工部品のザグリ部形状変更による加工コストダウン
  13. 角面取り部の角部形状変更による加工コストダウン

公差

  1. コーナーRサイズ表記の図面指示変更による加工コストダウン
  2. ネジ有効径長さ確保の指示による難加工の排除
  3. 素材面粗度の図面指示変更による加工コストダウン
  4. ネジ下穴の安定確保の指示による加工コストダウン
  5. 逃げ溝形状の角度指示変更による加工コストダウン
  6. ネジ有効径の図面表記変更による加工コストダウン
  7. 止まり穴の穴底角度指示変更による加工コストダウン
  8. R位置部の寸法指示変更による測定コストダウン
  9. 貫通穴のテーパー部寸法指示変更による高精度化

工程

  1. 左右対称精度部品の形状変更による工数削減コストダウン
  2. 位相寸法表記の変更による加工法変更コストダウン(CNC→カム)
  3. 切削ねじの精度変更による加工方法変更コストダウン(切削→転造)
  4. 量産部品の工程分割コストダウン(CNC複合→カム+フライス)
  5. 加工指示表記変更による工程集約コストダウン(研削→ローラーバニッシュ )

表面処理・熱処理選定

  1. 部品形状変更によるめっきの密着向上コストダウン
  2. メッキ活用による材料コストダウン(SUS材→鉄材+無電解ニッケル)
  3. 研磨シャフト部品の材料コストダウン
  4. メッキ種類変更によるコストダウン(無電解ニッケル→亜鉛メッキ)